Study Tour in East Coast U.S.A. 0502-0510 NY:Side YUYA & CAZZ

ゆうやとカズにNYについて書いてもらいました
(本当はTRANSPORTER用に書きおろしてもらったものなんですけれどねw)

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Side YUYA

私が毎年訪れたい、いや訪れなくてはいけないと感じている街ニューヨーク、日本人にとってはちょっと汚く臭い場所もあるかもしれないが、世界一の街といっても過言ではないこの街の今回はブルックリン地区への旅行で感じた事を紹介します。
ブルックリンは人口800万人を擁するニューヨーク市の5つの区の中で最も人口が多い250万人が暮らし、近年は治安が悪く貧困層の多いというイメージを一新し、世界のファッションやフードに留まらず様々な流行発信地となっています。特にマンハッタンに程近いエリアはその昔、工業地帯として発展し、現在では工場や倉庫をリノベーションしたギャラリーや大型書店、セレクトショップを有し、その中でもウィリアムズバーグはヒップスターの本場として多くの人々を惹きつけてやまない、特にこのエリアはブルックリンの中心地として進化し続け、ビール好きには馴染みのブルックリンブルワリーがあるのもこのエリアです。

まずはマンハッタンの高層ビルと喧騒とは対照的な低層で落ち着いた空気の流れる、工場や倉庫をリノベーションした絶対マストなお店から紹介したい。ウィリアムズバーグの西側エリアブッシュウィックにあるその店の名は『Roberta’s Pizza』。

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マンハッタンでは置くことが出来ないピザ窯を構えた倉庫やコンテナリノベーションの洒落た店は敷地内に隣接するウェイティングバーと、地産地消の野菜やハーブを育てる中庭、星付きテイスティングレストラン
『blanca』、テイクアウト専門店を揃え様々な用途で利用する事が出来ます。またこのエリアはグラフィティアートの街でもあり歩いているだけでも面白味があります。

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薄い生地を高温で短時間焼き上げられたピザはちゃうま?頂戴頂戴頂?戴と軽く何枚でもいけちゃいます?

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そして肝心なドリンクは正にローカルラブなラインナップ、5TAPと多くはないものの、Threes BrewingやOther HalfといったブルックリンのブルワーリーにHill Farmsteadが繋がっているという素晴らしさ。半年前にもニューヨークを訪れていた私はバーモント州の大人気ブルワリーの成長と広がりに驚きました。

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そしてもう1店舗倉庫リノベーションのナイスなお店を紹介します。ウィリアムズバーグの南にあるドイツ語で太った豚という意味の『Fette Sau BBW』。

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ニューヨークといえばステーキを挙げる人が多いとは思います。ですが、少しラフなスタイルの是非絶品BBQも楽しんでいただきたいです。行列必至の店内で1番見て欲しいポイントはお肉でもレジの可愛いお姉ちゃんでもなくビール好きならこれこれ!

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このバーカウンターは本当に痺れる程かっこよく、タップハンドルが全てブッチャー仕様という壮観さに白タイルがまたステキ。
そんなステキなタップから注がれる10TAPのビールはどれもニューヨーク州のものばかりというローカルっぷり、地元愛が本当に凄いなぁとつくづく思い知らされました。

さぁそして大本命ビアバーを紹介します。数多く素晴らしい店が点在するブルックリンにおいて、ウィリアムズバーグの南側グリーンポイントという北欧系移民が数多く住む街にある、世界のビアバーの中で最も注目を集める『Torst』。

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内装やグラス全てEvil Twin Brewingを手がけるデザイナーがつくり、この空間は個人的にニューヨークで1番見て欲しい場所。そしてコペンハーゲンの『Noma』で研鑽を積んだオーナーシェフDaniel Burns氏がこのお店の奥で開く『Lukusus』という星付きテイスティングレストランは、地産地消と季節感を大切にしたビールとのマリアージュ哲学を体験しに多くのビール通や美食家達が集う場所です。最近ではその哲学を詰め込んだ料理本も販売され注目を集めています。

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このお店のラインナップは他とは少し違った内容で、Evil Twinは勿論のこと地元のものから西海岸では珍しい東海岸のModern Timesそしてヨーロッパの、特にベルギービールを繋いでいます。そしてニューヨークのビアバーでは当たり前になってきている、バーモント州のHill FarmsteadやLawson’sといった大人気ビールも繋がっています。こちらのお店は以前トランスポーターでも挙げているのでアプリでバックナンバーをチェックして見てください。

では最後にブルックリンのブルワリーについて。ニューヨーク北部のバーモント州をはじめとする周りの地域で力をつけたブルワー達がここ数年ブルワリーを立ち上げ盛り上がりを見せるブルックリン、どこに行っても絶対No. 1と言われるのが『Other Half』です。

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2014年に地元への貢献を掲げ出来たブルワリーはマンハッタンからもアクセスの良いキャロルガーデンに立地しています。夜は暗くて怖い印象もあるので明るい時間にいくのがオススメ!なぜなら最寄り駅Smith-9th駅からのマンハッタンを眺めた景色が素敵だから。

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ラインナップはIPAだらけ、お味は西海岸はホッピーで東海岸はモルティなんて今は昔、ホップギンギンでガツンとしているのだがバランスに優れたものが多い。最近の東海岸の傾向だが濾過しない濁ったビールが多く、セッションや明るいカラーのビールも軽くすっきりというよりはボディもしっかりしていて全体で飲ませるといった感じ。毎週土曜にボトルや缶を販売するが常に瞬殺、ここに来て飲むかグラウラーで持ち帰るしかない為に出色の出来栄えのビール達を体験しに訪れて欲しいです。

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5年程前までニューヨークと言えば、Brooklyn Brewery、Ommegang、Southern Tier、Captain Lawrenceといったブルワリーしかなかったが、ここ数年で特にブルックリン地区は多くの情熱を持ったブルワリーと世界で料理を学んだ者達によって物凄いスピードで進化し続けている、プロパガンダを撃つつもりはないが訪れなくてはいけない街の1つだと思います。
日本に落とし込んで鑑みるとハードの面で倉庫リノベーションやTorstといった店舗は可能だと思うが、ソフトの面で環境や文化としてまだ時間がかかると思った、しかし地産地消で日本でしか使えない素材や作れないビールと美食の国日本の料理が次のステップの鍵なのだと感じました。

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Side CAZZ

“Brooklyn”が今アツい。

なんて言うと、どこかありがちなコピーで寒い事この上ないが、ことクラフトビールに関しては、本当にそうなのだ。

ブルックリンといえば、ブルックリンブルワリーが有名でそれは間違いではないのだが、今のシーンの面白さはそこじゃない。

ちょっと治安は悪いが賃料の安い倉庫街。
そこにレストランやギャラリー、醸造所が出来て人が集まり、街が発展していく。
ポートランドやカリフォルニアでも同じような流れがあるが、ブルックリンではそれが“今”なのだ。
今回NYCに行く機会に恵まれた私は、あえてあまり下調べせず、知人や仲間、偶然知り合ったローカルからの情報を元に色々なスポットを訪れた。

中でも、クラフトビールに関しては、話す人皆が口を揃えて絶賛するのが、「Other Half」だ。

2014年に、サミュエル・リチャードソン氏とマット・モナハン氏によって設立された若いブルワリーで、場所はメトロのSmith – 9 Sts駅の程近く。

倉庫を自分達で改造したんだなって感じの内装は、DIY精神を感じられて心地よい。
スタッフもフレンドリーだし、マーチャンも充実している。

肝心のビールの味も抜群だ。

どのビールも、西海岸のビールのように味のパーツがくっきりしているタイプじゃなく、香り、苦み、それをささえるボディ、全てが丁度いい塩梅で纏まっている綺麗に作られたビールで、故にグイグイいけてしまう。
ダブルIPAなんかでもそうだから危ない。飲み過ぎてしまう。

個人的な感想だが、商品名に「Green」と名のつく銘柄が特に美味い。

残念ながら文章力のない筆者では、この感動を文章で伝える事ができない為、興味のある方は是非、現地に行って飲んでみてほしい。(お土産に缶を買う事を忘れずに)

もう1つ素敵なスポットがある。それがグリーンポイント地区にある、「トースト」だ。

“クラフトビールでミシュランの星獲得”をやってのけた、デンマークの「ノーマ」出身のシェフ、ダニエル・バーンズ氏のお店として、クラフトビールシーンのみならず、食の世界でも知れているお店だ。

ビールと料理のペアリングを追及する、ダニエル氏のレストラン「ルクサス」(トースト内)は連日満席で、予約が全然取れない人気っぷり。

大理石にガラス張りのバーカウンターが一際目を引く店内。
そんなに広くはないが、手の込んだ彫刻が彫られた木製のテーブルに、小さめの椅子。流れる音楽は北欧のインディース。

この雰囲気だけでも最高だが、ビールのラインナップも半端じゃない。

数日前にサンディエゴのモダンタイムスのイベントをしていたようで、モダンタイムスのビールが幾つか繋がっている。
そして、バーモント州の最高に評価の高いブルワリー「ローソンズ」、「ヒルファームステッド」のビールが普通に繋がっている。

ビールラインナップを見ても、「美味いものしかない」状態。そして、実際に一通り飲んだが、感想も「美味いものしかない」の一言。
これも、ダニエル氏のコネクションによる所だろう。
訪れたのが、ダニエル氏初の料理本が出版される直前だった事もあり、少しだけその本を手に話す事が出来た。

ミーハーな日本人代表としてサインをしてもらったが、「All The Best!!」と書かれたサインを見て、ちょっと胸が熱くなった。

NYCは、前述した「ヒルファームステッド」等、美味く評価の高いビールを作るブルワリーが点在するバーモント州に近い街だ。

それは、自家醸造家やブルワーにとっては、美味いビールを日常的に飲め、コミュニティに属する事で、情報の共有や知識の向上が図れる、素晴らしい環境だと思う。

そんな人たちが、ブルックリン等の、今まさに発展している場所でブルワリーを作っている。

それがローカルに指示され、ブッシュウィックのピザ屋「ロベルタス」や、ウィリアムズパークの「フィッティーソーBBQ」といった、地元の人気店で飲めるようになり、その輪が広がっている。

そして数年後には、Other Halfで修行した若者が、自分のブルワリーを立ち上げ、このサイクルは続いていくのだろう。

自分が東京で同じ流れを作るなら、「ローカル」、「クオリティ」、「人との繋がり」、そして「コミュニティの場」である事が大事なキーワードなのではないかと思う。

日本も負けていられない。

きっと現地に行けば、この言葉の意味がわかるだろうと思う。